Part1. 改装中のクリヴデンハウスでアフタヌーンティー
Part2. 華やかさを極めたマイセンレースプレートセッティング
Part3. マダムおススメ〜ルイ14世スタイルのティーサーヴィスセットでティータイム
どこまで行くのかしら・・・と不安を感じながら車を走らせるクリヴデンハウス。
ようやくエントランスから見慣れた建物が見えてきましたが、どこか様子が違うと気が付いたのはハウスの正面が見えてからでした。
本館を挟み左右の建物に足場を掛けている状況から「もしや修復中?」 予約を入れたインフォメーションを注意深く読み解くべきでしたが、難なくブッキングがオーダーされた為、何も考えずに辿り着きました。
中に入りますと左右の別棟のリフォームとは関係なく、当時の面影を残されたグレートホール。
ハウスの最後の持ち主アスター家が1942年にナショナルトラストへ寄贈、1985年からホテル会社へ貸し出し運営されていましたが、アスター家の方が別棟の居住空間を出られた事によりナショナルトラストから全面的な修復費用を拠出することで別棟客室の増室を始め、本館のダイニングルームから敷地内のお庭に至るまで大がかりな修復作業が始まっていました。
チェックインを済ませ、敷地内を一回りしますと朽ち果てた石畳の階段やテラス部分まで一つ一つ丁寧に石を外しながら元通りにする作業が進められています。
全て取り壊し再現する方法よりも実に根気のいる作業工程ですが、1666年にバッキンガム公爵によって建造され二度の火事で焼失した後、1851年にサザーランド公爵が建てた建物の保存と修復への道のりこそ、イギリスの文化でもあり守り抜かれる伝統です。

敷地内を散策している内にすっかり身体が冷え込み・・ ハウスに戻りアフタヌーンティータイムでほっと一息です。以前、アフタヌーンティーを過ごしたライブラリーはパーティの打ち合わせで貸し切りとのこと。

今回はメインロビーに使われていますグレートホールでアフタヌーンティーをリクエストします。
すでにローテーブルに用意されたティーセッティングを前にゆったりソファーに着席。
テーブルに置かれたメニューからシャンパンをオーダー?もしくはトラディショナル?とあれこれメニューを 吟味していますと、膝元へナプキンをすすめられます。軽く三角形に折り膝元に広げていただき、クリヴデンおススメのブレンドティーをオーダー。

それぞれのゲストの近くに置かれたサイドテーブルで紅茶のサーヴィスが始まります。私達が滞在中、アフタヌーンティーからディナーさらにランチまでのサーヴィスを担当して頂きましたが、時折〜統括するマネージャーがゲストのテーブルを見回り、ゲストの要望に快く対応する様子はハウスを訪れるゲストへのサーヴィスでもあり、最高のおもてなしを届けたいというホテル側の姿勢を感じます。
そのひとつ、ミルクサーヴィスが必要か否や?は最初の一杯のみ、後はゲストの意向通りにお茶のサーヴィスを続けてくれます。温かい紅茶で冷えた身体もほっと一息〜。
ソファで寛いでいるところで、サンドイッチ&プチフールを盛り付けたスタンドの登場です。 白いリネンに包まれたローテーブルがまるで宝石のように並べられたティーフードで華やぐ瞬間です。
サンドイッチ4種類とキッシュ&パイを一つ一つ味わい終えたところで〜お代わりは如何ですか?と聞かれましたが・・・

「ディナーを控えていますので、もう十分です」と答えますと、焼き上がったスコーンをスタンドにセッティング。
ティールームによって保温効果のあるカバーやナプキンに包みサンドイッチと一緒にスコーンを提供される場合もありますが、焼き立てのスコーンをベストタイミングで提供するサーヴィスはゲストにとってスコーンを楽しむ最高の演出です。

アフタヌーンティーから一旦〜本館のルームに戻る頃には遠くに輝くロンドンの灯り。すでにMario&Sylvieによりデザインされたお部屋のリフレッシュが進められ、クリヴデンハウスの歴史を 再現するかのようなロマンチックでドラマティックなインテリアに様変わりです。

さて、今回の滞在で最も楽しみにしている Dining Andre Garrett。昨今、ロンドンの格式高いホテルやマナーハウスでは話題性の高いスターシェフを招きオーベルジュスタイルやラグジュアリーホテルへと転換中です。クリヴデンハウスも同様にロンドンから車で一時間程の距離感から、仕事を終えたビジネスマン達がスターシェフのお料理を目的に何組か滞在していました。
それではリフレッシュしたダイニングルームでシェフ Andre Garrett のディナータイムです。
メインメニューは Dover Sole のロール仕立てとスコティッシュ牛のグリルです。お料理のボリュームも程良く〜何より味付けがナチュラルな味わいで、木の実や季節の野菜をふんだんにバランスの取れた美味しさです。

さらにデザートプレートの盛り付けも小さくコンパクト。以前のようにプレートの盛り付けだけで、もうもう食べられないとは・・感じさせない美しいコーディネートです。お食事の後にはフレッシュミントティーでディナーの余韻をゆっくり楽しめました。

マナーハウスのもう一つの楽しみ。それは、目の前に広がる広大な敷地を眺め、まるで領主様になった気分でゆっくりイングリッシュブレックファーストを 楽しめること。

あいにく早朝は深い霧に包まれていましたが、ブレックファーストを頂く頃には霧が晴れ、遙かロンドン・セントラルが見えてきます。
初めて滞在した時のように多彩なメニューに感激したイングリッシュブレックファーストからは一般的な品数になっていましたが軽めのコンチネンタルからボリュームたっぷりのブレックファーストメニューを選べます。

昨夜のビジネスマン達は軽めのモーニングで早々とご出勤。実はディナーに続き、ヒースロー空港へ向かう前にシェフ Andre Garrett おススメのランチを味わいました。一つ一つの素材が活かされた優しいお料理は昨今の「ロンドンは美味しい〜」を堪能出来る最高のマナーハウス体験です。

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※Part.2 は画像をクリックで、拡大画像がご覧いただけます。
1880年頃に作られたマイセンの贅を尽くした透かしのディナープレート。縁取りを飾る3パターンの透かし紋様にフラワーブーケが鮮やかに描かれています。
白磁に描かれたマイセンのフラワーブーケと3羽のバードも6枚それぞれ異なる絵柄で優雅に仕上げられ〜 まるで貴婦人のようなマイセンレースプレートです。そこでマイセンのプレートに似合うグラスは同様に貴婦人のグラスと誉れの高い同年代のロブマイヤーのシャンパン グラスを組み合わせてみました。

テーブルカトラリーにはルネッサンスパターンモチーフで飾られゴールドギルドが華やかな Martin Hall のカトラリーを。マイセンフラワーブーケの絵付けの色合いに似合ったフラワーアレンジをセンターに現代の生活にも活かされるテーブルセッティングを演出しました。

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※Part.3 は画像をクリックで、拡大画像がご覧いただけます。
英国ヴィクトリア時代を代表する「ルイ14世スタイルのティーサーヴィスセット」 ヨーロッパ各地の王族や貴族がお手本にしたルイ14世の名を冠し、ヴィクトリア時代に一世を風靡したスターリングシルバーのティーサーヴィスセットの一つのスタイルです。
当時の有力工房が競い合いクォリティの高いティーサーヴィスセットを作ることで、同じシリーズセットの中にはギャラリートレーを含め紅茶用とは別にコーヒー用のクリーマーを付け加えたオリジナルのお箱入りセットなど、 未だ出会ったことはございませんが同じシリーズでオイルバナー付きのマフィンウォーマーが揃えられたビックセットも 作られました。
もちろん限られたオーダー主だから出来る社交の為のティータイムセットに家の格式を重ねた事は言うまでもありません。当時を再現するには無理が生じますが、アンティークを使うということは時間を遡って旅する事・・・。

C.1880年頃のコバルトブルーが鮮やかなマイセンのブルーオニオンシリーズから金彩縁取りで飾られたレースプレートにゴールド彩の華やかなエナメルグラスのティーカップ&ソーサーを重ねました。デザートカトラリーにはゴールドギルドを施した Martin Hall のルネッサンス紋様を組み合わせ時代を遡った一場面です。
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