KOTETSUをご覧のゲスト様から「お茶をどうぞ!」とのお誘いを受けました。
皆様とてもお招き上手の方々で、サイトをご覧の皆様にも楽しんでいただきたいと、この度「ご紹介ページ」を仕上げました。それではどうぞご一緒にティータイムを楽しみましょう。

冬の始まりを感じる頃、とても嬉しいお誘いをいただきました。
いつも「銀器が好きです!」とおっしゃるW様の美しいお声に聞き惚れているのですが、 お電話でのおしゃべりタイムが楽しく、ついつい親の介護のことから旅のお話やおススメのグルメ情報をお伺いしています。
「遊びにお伺いしてもよろしいですか?」と、二冊目の書籍を仕上げた後にお願いしますとさっそくスケジュールを調整いただき、お忙しい合間をぬいながら「いらっしゃいませんか」とお声をかけてくださいました。

即、チケット手配諸々を整えたものの、宿泊はどこが良いのかしら?と悩んでいますと即座に「此方がおすすめよ」と、お近くの老舗割烹旅館さんをご紹介くださりあっという間にW様にお会い出来るスケジュールが決まりました。私のツボをしっかり見抜かれ?ゆっくりと時間を忘れ、美味しいお料理と土地の方々の心温まる心遣いに包まれたひと時。皆様もご一緒にお招きいただいた気分を味わいませんか。

いつも「和のテーストと洋のテーストを組み合わせられるように」を主眼に日常生活で使えるアンティークシルバーを丁寧に選んでいらっしゃるW様。
日本人の生活が洋風化したとはいえ、精神性を考えますと日本人の生活に馴染みの深いお箸の文化や茶道にはじまり、和食器のしつらいなど、年齢もご高齢のご両親様やお子様、さらにお孫ちゃんへと日常生活に馴染むアンティークであること。常に毎日使うアンティークシルバーを選ばれ生活のなかに取り入れていらっしゃいます。
用の美と一言で申しますが、その機軸がぶれない生活の愉しみ。そのお気持ちに応えられるように、畳のお部屋にも似合うティーセットなど様々な菓子器に見立てた銀器を選んでくださいました。

日日是好日。
清められた本玄関からご案内いただき、本床の間へ。四季折々の風情を楽しませてくれる書院・床の間・床脇の諸飾りを拝見しながらお茶のご用意を待つ心静かな時間です。

お庭の艶やかな緑と折敷に重ねられたティーカップの色合い。そのうえにテーブルライナーを合わせたティーセッティングが鮮やかです。ご当地の和菓子を高坏に見立てたコンポートなど、ジャポニズム趣向の銀器を上手に洋風アレンジの茶事を見立ててくださいました。

お庭を拝見し紅茶をいただく静かな時間は欧米諸国にも受け入れられる和のティータイムではないかしらと、 おしゃべりに花を咲かせていますと「お昼の用意を整えていますので、こちらへ」とご案内されました。
「ダイニングルーム」へのおしゃれなエントランスシーンをいくつか。

思わず「素敵!です。」と不作法にもテーブルをぐるぐるカメラを持って写させていただきました。
ダイニングテーブルには漆器とラリックにベルリンKPMのディナーセットが並べられ、キングスパターンのテーブルカトラリーが美しくセッティングされています。
毎日の食卓には和骨董の上品な古伊万里を日常使いにされていらっしゃるW様。代々続く御蔵が多い土地柄ですが、「昔は蔵出しで思わぬ出会いがあったのよ」と受け継がれる和骨董は貴重です。

日本のハレの日、特別なおもてなしにも英国銀器がバランス良く重ねられています。
テーブルセッティングは器遊び、気持ちがしっくりとお好きなように重ねる器選び。フィニッシュは色を重ねながら足し算と引き算のバランスを全体で眺めます。
色重ねが重苦しくなってもテーブルがしっくりこない。そんな時に銀器はどんな色合いのなかでも、中和させるパワーを持っています。東西の文化を超え、さらに時代を超えたアンティークシルバーが華やかな漆器を優しく包み込んでくれるパワーです。
特に漆器と銀器の相性はヨーロピアンとジャポニズムの融合になるベストカップルのしつらいです。
お重を広げながら、ご自慢のローストビーフには、「これね!」とご家族様用に揃えてくださいました キングスパターンハンドルのミートナイフ&フォークで美味しくいただきました。
「ミート料理にはボージョレヌーボーを!」 「お重を飾るお料理には日本酒を!」 残念ながらアルコールの消化力が弱い私たち、ワイングラスから立ち上がる香りと味わいを楽しませていただきました。器の格が揃ってこそのテーブルセッティングですが、調和をイメージされながらのコーディネート。器好きのW様がしつらうテーブルはお孫ちゃん達が仲間入りされることで、もっと華やぐことでしょう。

朝から準備に奮闘されていたW様に、ご主人様が「ダウントンアビーみたいだね!」とそれはお褒めのお言葉では?テーブルもアートです。様式やプロトコルに応じる時はそれなりに、それ以外の時は気持ちの思うままにキャンパスに 向かうように仕上げたいものです。

デザートを切り分けながら、「私のファーストティーセット」でティーカップに注ぎ入れてくださいました。 二冊目の書籍のシーンに登場しましたフルーツスプーンが添えられ、「やはりおススメして良かった」 フルーツに合わせるのはフレンチシルバーのアイスクリームスプーン?と、悩みましたが正解です。 デザート一つとっても、アイスクリームスプーンの繊細な透かし紋様から、大きなボウルサイズなど、 その日のデザートにぴったりと合ったスプーンを見つけることから始まるアンティークシルバーの出会いです。

W様の素敵なおもてなしはまだまだ!
訪ねたい!とリクエストしておりました名所旧跡をご案内いただいた上に、帰り際にご案内いただきました安心院葡萄酒工房へ。
そこで思わぬ出会いにびっくりしました。

昔から日本人のグラスのコレクターとして多々書籍を出している由水常雄さんのコレクションがずらりと。
こちらで拝見できるとは感動の一瞬です。季節ごとにコレクションを入れ替えていらっしゃるとのこと。
V&Aミュージアムに収蔵されているブリティッシュグラスをはじめヨーロピアングラスが素晴らしいです。
グラス好きの方は是非、おススメします。

一日がこんなにあっという間。
名残惜しさと最高のおもてなしに感謝申し上げ、W様おすすめのお宿へ戻りました。
お電話を頂く度に「楽しかったですね」と、W様の素敵なおもてなしに熱が冷めません。