KOTETSUをご覧のゲスト様から「お茶をどうぞ!」とのお誘いを受けました。
皆様とてもお招き上手の方々で、サイトをご覧の皆様にも楽しんでいただきたいと、この度「ご紹介ページ」を仕上げました。それではどうぞご一緒にティータイムを楽しみましょう。

この度はY様とお嬢様お二人でしつらえた夏の風情を楽しむお茶事にお誘いいただき有難うございます。
長時間の正座は膝に無理が掛かり難しいなどなど。「いらっしゃいませんか」とお声を掛けてくださりながら、なかなかお伺い出来ずにおりましたが、アンティークシルバーをお茶事に見立てますとの趣向を伺い、虎徹の創成期からお付き合いいただいております「Y様とお嬢様主催のお茶事」に招かれました。

お茶室にしつらえましたマンションの別宅に伺いますと、そこは異空間。入り口から一歩、緊張しながらお嬢様に案内いただきますと水屋から待合い。さらに涼しく感じられるようにと、襖を外し簾をかけた茶席は「外の雑踏を忘れ心が清められる?」お茶室へと足を踏み入れた気分です。

手洗いを勧められました「ドレスデンのカバードディッシュ」に気持ちのよい清めの水が注がれ、しずしずと柄杓を取りながら清め待合いへ。たばこ盆の前に座り、この度のお詰を務めていただきますお嬢様のお友達と一緒にマイセンのインドの華シリーズの木瓜シェープのティーカップに紫蘇の香煎を入れた白湯をいただきます。

待合いを退室し腰掛待合へ進み、ご亭主のY様とご挨拶。緊張していますので次は何?なにと戸惑うばかりです。いよいよ席入り。蹲に見立てた「ドレスデンのカバードディッシュ」に柄杓を取り手と口を清め手を拭いて茶室へすすみます。

夏らしさを表すお道具を拝見し、
全員で定座へ

「この度は我儘にも立礼席をご用意いただき
有難うございます。」


お懐石の流れをご教授いただきましたので、ご紹介します。全員、お酒は苦手でしたので雰囲気だけでもと「梅酒」を頂戴します。ご亭主自らご用意された懐石ですので、それは美味しい美味しい。

ご亭主より説明いただきました「お献立の順」に書き添えます。焼き物、小吸い物、八寸、湯斗、香の物です。

@向付
季節が夏ですので刺身の代わりにお手製の胡麻豆腐、玉みそ、山椒の葉
A汁椀
焼き茄子、粉山椒
B煮物椀
海老真蒸、芽れん草、たもぎだけ
C焼き物
縞鯵味噌幽庵
D 預け鉢に冬瓜、鰻白焼き、インゲン、茗荷
E 預け鉢にはスナップエンドウの卯の花和え
F 小吸い物 ブロッコリー
G 八寸
空豆の含煮、
牡蠣のオイル漬け

 

H 香物 梅肉沢庵、
一夜漬け茄子、西瓜の奈良漬
香物にピクルスフォークが
可愛いらしく添えています。

I 茶懐石のご飯は一度目は炊き立てで蒸し切る前のご飯
二度目は少し蒸らしたご飯
三度目はしっかり蒸らしたご飯
ご飯の変化を楽しんでもらうことから、湯斗に入った湯を飯・汁の両椀に取り、飲み干して器を清めますとご説明いただき、綺麗にいただきました。


初炭手前へ。 祖母様の旅の思い出に大切にされていた小さなボンボニエールに魅入られます。

食事が終わった後にお嬢様が漬けられた「ふっくらとした青梅の甘露煮」を頂戴します。
これは瓢亭の青梅甘煮に劣らぬ美味しさです。


菓子器に見立てたスクエアバスケット「バーミンガム1913年 スクエアバスケット Edward Souter Bamsley」に 主菓子のきんとん「銘 打ち水」のごとく澄み渡る水の色が目に浮かびます。

中立となり濃茶、後炭、薄茶とご亭主のお手前が続くところで、お嬢様が花台の上に添えられた花々を? ご亭主の「皆様と一緒に花所望を楽しみましょう」の一言で、Y様のお庭の花々で掛花に挑戦です。

仲立ちに花入れを遊ばせていただき、少し気持ちがほぐれたところでいよいよお茶事のクライマックスです。
お茶は松田桃香園 「濃茶 瑞豊の昔」「薄茶 松香の白」

サルヴァに綺麗に盛り付けられた干菓子をすすめられ薄茶へと茶入れにご紹介されたボンボニエール。
こちらは祖母様の旅の記念に大切にお持ちになられていた「ヘレンドのボンボニエール」を茶入れにしましたと、ご紹介いただきました。

水差しには英国スターリングシルバーのチェスターのティーサーヴィスセットからティーポットをラリックのベースもとても涼やかに、ティーポットを持ち上げ水を差しいれる姿も美しく輝いています。
四時間ほどですが、アンティークシルバーを合わせた夏のお茶事を楽しみました。お母様とお嬢様の呼吸のあった流れるようなおもてなしに感謝申し上げます。