No.006 イングリッシュ・ブレックファースト〜ブレッドバスケット

トーストラックのみに限らず、イングリッシュ・ブレックファーストに登場する銀器として、「ブレッド・バスケット」がございます。こちらは暖かいブレッドを冷めないように真っ白いリネンに包み込み、テーブルの上に置きます。形はオーバル型が主流でおおかた舟形の底で深みのある器です。
マナーハウスでの朝食では、トーストも色いろなブレッドも全てブレッドバスケットにリネンで包まれ、お部屋に運ばれてきます。
そこにはトースラックは登場せず、あくまでもブレッドバスケットの中に全てのブレッドがおさまっています。
※オーダーする時に、あらかじめ食べたいブレッドを選びますので、数種類のブレッドがモリモリです。それはキッチンから運ばれるうちに、冷たくならないように、また暖かいパンを召し上がっていただく事を目的にブレッドバスケットが考えられたのでしょう。

さらに一枚のトーストをナプキンに包み、ブレッドディッシュにのせて〜というサービスもあります。(あまりお腹の空いていない時のみですが・・・)
どちらにせよ、常に保温を考え冷めないように、ほかほかのブレッドを召し上がる心遣いです。私達も休日の朝など、ゆっくり色いろなブレッドを盛り付けたい、と言う場合はバスケットが一番重宝な器となり、テーブルの上もとっても華やかな雰囲気に仕上がります。

しかし、この「ブレッド・バスケット」英国で見かけるデザインは、実は普通?の形が多いです。舟形の側面もシンプル、味気ないわ〜と感じることも多いくらい、実に合理的な形ばかりです。特にジョージアンらしい雰囲気は銀器の質感が一番で華やかな細工は二の次、実に気品あるブレッドバスケットです。
時代もヴィクトリアンらしさが加わりますと、縁取りの花模様からピアッシンなど、何となく華やぐ雰囲気が多くなります。と申しましても、実際はピアッシングのタイプよりも、せいぜい縁どりに飾りを付けたデザインの方が断然多いです。やはり、質実剛健の英国人、もっとも好みに合うブレックファーストの器が必要とされたのでしょう。
※ピアッシングばかりをリクエストしていますと、いつも日本人はファンシーな物を好むね・・・と言われますが・・・。

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