NETHERLANDSの銀器〜現在のオランダでは銀の刻印をどのように表示されていたのでしょう。歴史的にはイギリスよりも早く銀の採掘&輸入を始めていた国でもあり、古くは16世紀から17世紀までの銀器の純度は1000分の875を基準として作られていました。さらに1807年〜1810年にかけては934銀と833銀が主流となります。
その頃のヨーロッパ各地は戦乱に巻き込まれ、支配する領土から王制までもがみな〜崩れ始める頃、オランダも諸外国と同じように、フランスの絶対王制が崩れフランス革命が勃発した1789年、その後ナポレポン・ボナパルトがナポレオン一世として、ヨーロッパ各地を制覇していくなか、オランダも諸外国同様ナポレオンに征服されます。そこで、今までの純度がフランスと同じ規定に変えられ、950銀と800銀になります。つまりナポレオンに制覇されると同時に銀の純度表示さえもフランス式に統一され、フレンチシルバーに表示されていますファーストとセカンドの表示に変えられました。
しかしナポレオン一世により、ヨーロッパ大陸すべてを制覇し動乱が納まるかのように思えましたが、ナポレオン1世がロシア軍に敗れ撤退します。それによりオランダも自国の銀の表示を復活し、934銀と833銀を表示するようになります。そのマークにはライオンが立ちがる姿を刻印し、それぞれの年代別において刻印されたデートレターが1814年から1962年まで記載されています。
さらに1953年以降には大きなサイズの銀器には925銀&835銀で作られ、小さなサイズの銀器は835銀と800銀で作られるという、銀器の大きさによって、それぞれがファースト&セカンドマークもライオンの立ち姿の下にゴチックのTとUを表示されています。
左&中央画像のネオクラシカルスタイルのグラスのコンポートには1814年から1953年に使われた833銀の刻印が記され、メーカーズマークも記されています。さらに右画像のケーキトングの刻印はフォークの刃先の中心部分にライオンの立ち上がる姿の1953年以降の835銀の刻印が記されています。
|