No.020 英国古陶磁器〜ジョサイア・スポードUの高度な開発力

英国の古陶磁器には稀少且つ魅力的なポーセリンが多々残されています。その中でも磁器の製造開発に惜しみない研究の成果を残したスポード。画像にご紹介した淡いピンクベージュを縁取ったプレートセット。その中心に描かれたイングリッシュガーデンフラワーの生き生きとした美しい色合い。花々の表情もさることながら、発色の美しさは画像上からもうっとり〜ご覧頂ける事と思います。

それもそのはず、数々の英国古陶磁器と言われている窯々では、磁器製造の配合に牛の骨を用いたボーン・チャイナを早々に取り入れ、成形時の色絵の美しさを研究し続けていました。同じくしてスポードの創立者ジョサイア・スポードも実用的な硬質磁器製造に力を注いでいました。

その後1820年頃、イギリス内でFelsperが発見されます。英国の陶磁器会社が各社Felsperを用いながら様々な製造研究に励む中、より完成度の高い磁器を求め作成したのがジョサイア・スポードUです。そのジョサイア・スポードUが骨灰とFelsperをバランス良く配合し、より発色の美しい高品質の硬質磁器を作り上げました。

スポードで製造されました硬質磁器の中でもFelsperを配合した1820年〜1830年まで、その製法にて作られました製品にはスポードの窯名と一緒にFelsperが印されています。画像にてご紹介しましたプレートセット&カバードコンポートはスポードUが手掛けました最先端技術により作られた美しい古陶磁器のセットです。

このあと、コールポート、ミントン、リッジウェイ、ウェッジウッドなどが次々とFelsperを使った陶磁器を作り出し、イギリスの陶磁器製造の黄金期を迎えるのです。

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