英国を代表するロイヤルウースターは実に数多くのスペシャリストを生み出しています。こちらのアイボリーブラッシュ地にフルーツを描いた変形プレート。ロイヤルウースターのお得意の白磁に象牙のやわらかな風合いを加え、その上にぼんやりサーモンピンクをアクセントに加えた通称アイボリーブラッシュ若しくはブラッシュアイボリーと言われるナチュラルな色合いに美味しそうなベリーを絶妙な構図で仕上げられています。

さらに注目すべきはトライアングルのアクセント飾りです。スクロールの凹凸感と強弱感を加えた鮮やかなグリーンラインがやわらかなプレートの色合いに対し、目に焼き付くような色彩感覚で仕上げたのがロイヤルウースターのお抱えデザイナーJamesHadleyの作品です。ロイヤルウースターに１８７５年から１８９４年まで在籍しロイヤルウースターの中枢となるモデラー＆デザイナーとして数多くの作品、特にフィギュアやベースを手掛けた人気のデザイナーです。

１８９５年に独立しますが長年のJamesHadleyファンが多く、独立後も引き続きロイヤルウースターのモデラーを兼務することで独立した後も多くの作品の型を残しました。現在でもJamesHadleyの作品がロイヤルウースターミュージアムに収蔵されているロイヤルウースターの貢献に尽くしたスペシャリストです。