Part1. 英国王室ご用達フォートナム&メイソンでのティータイム
Part2. KOTETSUおすすめ「アフターディナー・ティータイム」
Part3. KOTETSUマダムのワンポイントレッスン

真夏のティーサロンはとてもホットです。今年は異常な暑さが続くロンドン、ガーデニングでのティータイムを考えていたのですが、燦燦と照り続ける太陽の下ではのんびりティーを頂くなんて〜とても無理な状態。そこで、観光でいらした時 「リザーブせずにアフターヌーンティーを頂ける」 お手軽なティーサロンに計画を変更し、さっそく4Fへと向いました。
去年の暮れから建物のメンテナンス工事に入ったフォートナム・メイソンは各階の優雅な展示とは相まって 「キー〜ン・ドドドドット・・・」 という工事の雑音に興ざめですが〜 今回はあまり文句を言わず、紅茶を楽しんでみましょう。

ランチタイムを終え、テーブルの上にはケーキスタンドをセットしながら午後のお茶を楽しまれている方々が見えます。ただ、冷房&空調完備が思わしくなく「少々、暑いのですが〜」とのこと。JAPAN製扇子も持参していますので、「OK!」と言ったものの、案内された場所は「なかなか暑いです」 。


こちらは「工事前のサロン」ですが、現在この部分は厚い壁に囲まれています。


さっそくトラデショナル・アフターヌーンティーをオーダーしましたので、フォートナム&メイソンのブレンドティー が運ばれるまで少し涼みましょう。
  去年の9月頃からでしょうか・・・・  
アフターヌーンティーの器を全てチェンジし「フォートナム&メイソンカラー」 でのお茶道具です。陶磁器のティーポット&ミルク&シュガー+似たデザインのシルバープレートのウォーターポットを組合わせているように陶磁器と銀器の組み合わせも素敵です。さらに、爽やかなミントグリーンが室内の暑さ&暑さを感じさせないところが、また&また?不思議。

さあ〜ケーキスタンドの登場です。サンドイッチも以前に比べますと種類が増え、こちらもシャンパンスタート・メニュー用として考えられたのでしょう。  目の錯覚かもしれませんが、スコーンも少し小さめになったような気がします。そして、スィーツはトレーの中からお好きな種類を2つ選びプレートに盛り付けてくれました。
サンドイッチも多種多様で、ブレッドにキューリやチキンを挟んだタイプと、オープンサンドになったタイプなど、色々アレンジしながら盛り付けされています。また、最近のティールームのサンドイッチメニューがとても個性溢れる味付けに変ったことは、正統的なお味よりも味覚を重んじる風潮かもしれません。 さらに、最近ティールームにて出されるスコーンの大きさに変化があるように思います。 大昔は大きくしかも、ボリュームが重んじられましたが、この頃はいかに小さく、甘みを抑えるスコーンを 作るか?と言う方がポイントになっているようです。 スコーンの生地もだんだん緻密な洗練された焼き方に変っています。

そして、最後のスィーツ達へと、汗を拭きながら暖かい紅茶をいただいてます。やはり、ウィンブルドン名物とも言われる真夏のスィーツ=ストロベリーは季節の味。 ついつい、甘い味が続いてしまい〜飽きてしまいますが、そんな時に爽やかな酸っぱいストロベリーは お口の中を爽やかにしてくれます。 アフターヌーンティーのスィーツは、それぞれ季節に応じた出会いを味わうことが出来ますので、これも楽しみの 一つです。
さすがに、熱い紅茶をいただきながら「汗を拭き拭き〜」まったく優雅なティータイムとは程遠い状況ですが ショッピングに疲れた時など、アフターヌーンティーの予約を入れずに気軽に「貴婦人気分」でのティータイムを 過ごすことが出来る重宝ティールームです。 ランチタイムをずらし、読みたい本を片手にのんびりティータイムなどにもどうぞ!


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甘党派のお二人には、クラレットジャグに冷たい麦茶&ブリティッシュグラスのセットを低めのサルヴァにのせて セッティングしました。 オケージョナルテーブルのサイズにもよりますが、脚低めのサルヴァが落ち着きます。 そして、今日のスィーツは「マシュマロ」「お干菓子色いろ」「金平糖」です。

バカラの重厚なプレートの上にお干菓子をカラフルに盛り付けてみます。 季節柄、お茶席にも似合いそうな菓子皿のようで〜彩りが綺麗です。 蓋付き入れ物は、中に何が入っているのか??と興味津津。
そこで、蓋を開けると〜涼しげな色合いの 金平糖です。
お食事の後は甘いスィーツではなく、フロマージュセットでお茶タイム。

ついつい甘いお菓子とお茶のセットをすすめていますが、お食事の後のデザートをフロマージュで締め括るときは 赤ワインを選ばず、エスプレッソやハーブティーと合わせられても美味しいお茶タイムです。
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中国からヨーロッパに渡ったお茶の影響を受け、家具においても中国=シノアズリーの影響を多いに受けたことをご紹介しましたが、こちらのオケージョナルテーブルの脚にご注目下さい。 竹(バンブー)を意匠化したデザインで、しかも3本の竹細工をまとめ一本の脚にしています。 カラスターコラムという名称でトーマス・チッペンデールが好んだシノアズリー細工として紹介されているスタイルです。 1750年頃のイギリス家具のなかには中国のラッカー(漆)仕上げで作られたティータイム用の家具も東インド会社を通じて輸入されていたことなど、東洋への憧れは止まることは無かったようです。
特に、当時のティールームをしつらう時は内装(シルク生地を用いる)から家具・茶器(ブルー&ホワイト)においてもシノアズリー的な インテリアでまとめたと言われています。ただ、あくまでもヨーロッパから感じた東洋のイメージであって、ヨーロッパにとってはギリシャ・中国・日本全てが交じり合いながら東洋という表現になりますので、東洋人にとっては違和感のある解釈に困惑する事もあるかと思います。テーブルの縁取りの透かし紋様などは英国銀器の細工にみられる「グリース紋様=ギリシャ」そのものですし、むしろヨーロッパの 文化が交じり合ったシノアズリー好みと言った方が納得するかもしれません。

また、当初からティータイム用の家具が発展したのか?と申しますと、そこには時代の流れによる変化が伺えます。1770年から1820年にかけてお屋敷の形態に変化が起こります。つまりそれまではフォーマルな住まい&家具&生活習慣からプライベートを重要視したインテリアに変っていった頃です。その頃の新しい富裕層の出現にもよりますが、公共的な住居からより個人レベルでの生活を楽しむことを大切に考え、くつろぎを目的とするインテリアが求められます。オケージョナルテーブルも1800年以降に多く製作され、ソファーテーブルなどもティータイムにて大いに使われるようになります。 さらに、1810年から1840年にかけて女性の自由な行動&教育が認められ、趣味以上の教養を求められる時代へと変化します。そして、その頃を境としてアフターヌーンティーがおしゃれな女性の社交の場となりヴィクトリアンロココへと時代が移っていったという訳です。
私達がアフターヌーンティーをしつらう時、内装&家具&お茶道具・・・全てを同じ時代に統一するコーディネートは不要かとは思いますが、日本の茶道の決まりごとと同じで「深い理解力」のうえに、コーディネートされるのであれば時代に応じたプライベートの文化として楽しめると思います。 どうぞ、時代を超えたテータイム・セッティングの面白さを楽しまれて下さい。
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