Part1. オペラ座を望む「カフェ・ド・ラ・ぺ」
Part2. 早春を祝うティーセッティング
Part3. マダムのおススメ〜ティーキャディの演出


パリの夜景に浮かぶオペラ座 ‘Opera National de Paris’
1669年にルイ14世がオペラ座の前身となる組織を設立して依頼、パリで13番目となる歌劇場ガル二エ宮。ガル二エ宮が出来上がるまでの経緯を調べますと、ナポレオン3世の命を受けオスマン男爵が成し遂げた首都パリの大改造工事の一環としてオペラ座の設計を公募。たくさんの公募作品の中から若手の建築家シャルル・ガル二エの案が選ばれ、工事は1860年から1875年の15年間にわたって行われます。
工事中は普仏戦争・帝政の崩壊により幾度か建築が中断されながらも、無事1875年1月5日に落成式が行われました。その若手の建築家ガル二エの名を取りガル二エ宮と呼ばれる所以です。ガル二エ宮の営業中も幾多のパプニングが伝えられますが。。。なにより第二次世界大戦中、ドイツ軍の占領下での営業は後にも先にもフランスにとって最も苦しい時代でした。

その後、1989年に新しいオペラ・バスティーユが完成されますと、ガル二エ宮ではバレエと小規模オペラ、管弦楽コンサート等を運用されるようになります。今も尚〜パリを代表するオペラ座のメイン・ファサードは2000年に全面的に改修され、建築された当時の彩色&彫像の眩い金色の輝きが蘇っています。

ガル二エ宮の中で最も名高い大階段。
色の異なる大理石で建築されたこの広間にはロビーからホールの異なる階へと続く二重螺旋階段を当時流行した大きく膨らませたスカートで着飾った観客が行き交う華やかな社交の舞台であったことでしょう。天井を見上げますと四か所に描かれた絵には異なる音楽の寓意を表現されています。
大階段を上りますと幕間に観客がくつろぐネオ・バロック様式のロビー。 アヴァン・フォワイエとグラン・フォワイエが平行に並んでいます。
アヴァン・フォワイエのヴォ―ルト天井は煌びやかなゴールドの地に美しいモザイクで覆われたシックな色調。2004年に改装されたグラン・フォワイエは設計者ガル二エが古典様式のお城の回廊をイメージしたと言われています。ポール・ボードリーが仕上げた天井画にも音楽史をテーマに、さらに竪琴が装飾メインモチーフに飾られています。

オペラ座のオープン後に完成したグラシエのサロン。   ディオニュソスの巫女と牧神たちの輪舞を描いたクレランの天井画が明るく浮かび上がっています。
ホールを望む二階のボックス席からは午後からの開演準備に追われる舞台が別世界のように 浮き上がって見えます。
ところでオペラ座の天井画は誰もが知るマルク・シャガール。
しかし完成された当時のオペラ座内部を飾る壁画はフランスの画家ルヌヴーにより飾られていましたが 完成より5年後の1880年には、すでにガス灯による照明などで傷みはじめていました。 そこで高額な修復費用を捻出するよりも新たな巨匠の作品を考えた方が得策?という結論に至り〜 その頃、フランス国籍を得たシャガールが選ばれたのは1964年当時の文化大臣アンドレ・マルローの推薦によるものです。

重さ約7トンのシャンデリアを中心にしたシャガールの天井画「夢の花束」 14人の音楽家のオペラ作品を題材にし、14ものモチーフ(外側にはラヴェルを始めとした10人&内側には ヴェルディ他3人)を描いた描写からも・・・この絵の大きさを物語っています。オペラ座の壁画装飾は壁に直接描かずにカンヴァスを貼ったとされ、ルヌヴ―の天井画の複製と落成時の 正面ファサードのカルボーの彫刻「ダンス」とガル二エ宮の断面模型がオルセー美術館に現在も保管されています。

オペラやバレエを鑑賞した後、暫しその余韻に酔いしれていたいものです。
オペラ・ガル二エ宮の正面に建つ1862年5月5日に創業した Paris Le Grand はパリを代表するホテル。
その Paris Le Grand はオペラ座ガル二エ宮の設計者ガル二エが生み出した華麗なるカフェ文化の大舞台です。ホテル経営は InterContinenntal のグループに統括され数年前に全面改装されたホテルは今も尚〜フランスの最も華麗なる時代を代表する建築様式を持つホテルとして営業しています。それではヴェリエールにて軽いランチを頂きます〜。

オペラ座に面したカフェ・ド・ラ・ぺにはナポレオン第二帝政時代の優雅さを残し、フランスの文化財として登録されたフレスコ画の豪華なゴールド装飾を飾っています。
そろそろ夜が明け始める頃、ブッフェスタイルの朝食をカフェ・ド・ラ・ぺにて頂きます。
滞在中、メニューも飽きないようにと〜様々な趣向が施され、着席するテーブルもフレスコ画を見上げる場所からカフェテラスへと座る場所により異なる風景を楽しめます。今回のお気に入りは〜お好みの具材でシェフが手早く仕上げて頂くオムレットが毎日の活力?になったような気がします。
夏季期間のみオペラ座に面したカフェテラスがオープンしますが、夜が明け止まぬコバルトブルーの空を見上げながら急ぎ足で行き交う人々を眺めるテラス席〜パリには無くてはならない風景のようです。

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早春のお慶びを演出してみました。
新しい年の幕開けとともに、年頭に掲げるフレッシュな気持ちを称え折敷を並べます。マイセンのブルーオニオンは日本の漆器にも古伊万里にも相性の良い器です。そこにゴールド彩の鮮やかなバカラのエンパイア・シリーズを添えますと、雅の世界へと引き込まれます。
西洋であっても東洋であっても、共に共感する精神性は変わりません。英国銀器の低めのコンポートや上質なテーブルカトラリーは古伊万里と同じ時代に作られた同世代?が並んでいます。


お祝い膳の次には、気持ちを華やかせるデザートタイムです。古伊万里から華やかな色伊万里へとプレートを替え、マイセンのティーカップ&ソーサーを組み合わせてみました。

華やぐデザートタイム、器に鮮やかな色合いを加えますと、お部屋も春欄慢。 新春テーマのテーブルをほんの少し気分を変えた演出を楽しめます。デザートカトラリーに選びました奈良作の小柄を用いたジャポニズム装飾のカトラリー。 華やかさの中にも武家時代の奥深い洗練された美意識を味わえるデザートカトラリーです。円熟した西洋文化に一世を風靡したジャポニズム文化との出会いは折衷文化の始まりであったのでしょう。

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ティータイムの主役は茶葉。
17世紀頃、東洋の茶の文化が西洋に伝承された時代。当時の茶葉は宝石のように取り扱われ、その茶葉を取り扱えるのはご主人様のみ。しかも鍵付きの特別な容器に保管されていました。お煎茶手前やお茶事でも茶は特別な器に保管され、お手前にも茶の心を表した特別な取り扱い方をします。その緊張感をティータイムの演出に加え、お茶にお誘いしたゲスト様達と一緒に厳かにティーセレモニーを 進められてはいかがでしょうか。

まず最初にティーテーブルの横にセッティングした低めのダムウエイター。 その空間を茶葉の為のお手前テーブルに見立て演出してみました。 紅茶手前?の始まり始まり〜です。 通常、午後の光がお部屋に射し込みますのでティータイムにキャンドルを灯す必要はありませんが、 茶葉が宝石の如く取り扱われた時代〜お邸の明かりも薄暗く、ほのかなキャンドルの灯りが必要だった 時もあるようです。 その演出を加えてキャンドルを並べてみました。
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